大学入学共通テスト(理科) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問125 (生物(第1問) 問3)

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問題

大学入学共通テスト(理科)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問125(生物(第1問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読み、後の問いに答えよ。

aヒトの近縁種の系統関係を調べるため、チンパンジー、ゴリラ、オランウータン、およびニホンザルのそれぞれについて、遺伝子Aからつくられるタンパク質Aのアミノ酸配列を調べたところ、互いに異なっているアミノ酸の割合は、表1のとおりであった。

チンパンジーの祖先とオランウータンの祖先が分岐した年代が1300万年前、ヒトの祖先とチンパンジーの祖先が分岐した年代が600万年前とすると、分子時計の考え方により、表1を用いてヒト―チンパンジー間のタンパク質Aにおけるアミノ酸配列の違いを予測できる。ところが、タンパク質Aにおけるヒト―チンパンジー間のアミノ酸配列の違いを実際に調べた値は、分子時計の考え方による予測値よりも小さかった。次の数値e〜gのうち、分子時計の考え方による予測値はどれか。また、後の記述Ⅰ〜Ⅲのうち、実際に調べた値が予測値よりも小さくなった原因に関する考察として適当なものはどれか。その組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

e  0.42%
f  0.89%
g  4.18%

Ⅰ 遺伝的浮動により、ヒトの集団内で、突然変異によって遺伝子Aに生じた新たな対立遺伝子の頻度が上がったため。
Ⅱ ヒトにおいて生存のためのタンパク質Aの重要度が上がり、タンパク質Aの機能に重要なアミノ酸の数が増えたことで、突然変異によりタンパク質Aの機能を損ないやすくなったため。
Ⅲ 医療の発達により、ヒトでは突然変異によってタンパク質Aの機能を損なっても、生存に影響しにくくなったため。
問題文の画像
  • e,Ⅰ
  • e,Ⅱ
  • e,Ⅲ
  • f,Ⅰ
  • f,Ⅱ
  • f,Ⅲ
  • g,Ⅰ
  • g,Ⅱ
  • g,Ⅲ

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この過去問の解説 (2件)

01

比の問題です。

分子時計の考え方は、どんな配列でも同じ確率で変異していくという考え方に基づいています。

なので、時間が二倍たてば変化した配列の割合も二倍になるといった感じになります。

 

今回は

1.93:x=1300:600

これをとけばいいわけです。

答えはfになります。

 

そして、変異した割合が予想より小さいということが何を意味するかというと、そのタンパク質が変異に対してすごくセンシティブになったということです。原因はいろいろ考えられますが、今回の問題のように重要性が上がったというのが考えられる大きな理由でしょう。

 

重要性が上がると、少し機能を損なってしまっただけでその個体は死んでしまい、変異した遺伝子が次世代に伝わりませんよね。

なので、重要性が上がると変異しずらくなっていきます。

 

そのため、今回はⅡが正解となります。

以下にはⅠ、Ⅲの解説もあります。

 

Ⅰ遺伝的浮動とは、簡単に言うと偶然性のことです。遺伝子Aと遺伝子Bがあってたまたま遺伝子Aを持った個体が多く交尾した。とかそういう偶然性のことをいいます。高校生物では重要性があまりわかりにくいですが、適応度の谷というものを超える際に何度も進化の過程でカギになってきました。多細胞生物も遺伝的浮動がなければ生まれませんでしたよ。

 

Ⅲ医療の発展により、タンパク質Aの機能を損なっても生存に影響しなくなったのであればタンパク質Aの変異のスピードは上がるはずです。医療の発展の時期などを考えてもいいですが、生存に影響しなくなる要因は火を使えるようになったとかそういう可能性もありますよね。しっかりと、生物学的におかしいところを考えて答えられるとベストです。

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02

チンパンジー-オランウータンの分岐は1300万年前、ヒト-チンパンジーの分岐は600万年前です。したがって、ヒト-チンパンジーの予測値は以下のように求まります。

ヒト-チンパンジーの予測値

=(チンパンジー-オランウータン)×(ヒト-チンパンジーが分岐した年代÷チンパンジー-オランウータンが分岐した年代

=1.93×(600÷1300)

=0.890・・・

=0.89

したがって、答えはfです。

 

【Ⅰ】

遺伝的浮動とは、遺伝子頻度が変動する現象のことです。つまり、遺伝子の割合が増えることもあれば、減ることもあります。したがって、不正解です。

 

【Ⅱ】

タンパク質Aはヒトにとって重要なアミノ酸を多く含んでいるため、突然変異によって機能を損なった個体は生存できません。したがって、正解です。

 

【Ⅲ】

ヒト-チンパンジーの分岐は600万年前です。しかし、医療が発達したのは約100年前です。つまり医療の発達は、タンパク質Aのアミノ酸配列の違いに影響を与えません。したがって、不正解です。

 

 

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