大学入学共通テスト(理科) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問89 (物理(第4問) 問2)
問題文
図2のようにX線管のフィラメント(陰極)・陽極間に高電圧を加え、陰極で発生した電子を陽極の金属に衝突させるとX線が発生する。図3は、陽極にモリブデンを用いた場合の、各電圧ごとに発生したX線の強度と波長の関係(X線スペクトル)を示している。たとえば、両極間の電圧が35kVの場合には、図のC点を最短波長とする連続スペクトルが得られた。また、連続的なスペクトルの中に鋭い二つのピーク(a)、(b)も観測され、このピークの波長は電圧によらない。
図3の結果を見たPさんとQさんが会話を始めた。ここで、プランク定数をh,光速をcとする。ただし、PさんとQさんの会話の内容は間違っていない。
空欄( ア )・( イ )に入れる語の組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
Pさん:図3を見ると、両極間の電圧が35kVの場合、X線のスペクトルはC点の波長3.5✕10-11Mから始まっているね。陰極から出た電子を電圧Vで加速すると、電気量-eの電子は陽極に達したときにeVの大きさの運動エネルギーを得る。この電子が陽極の金属と衝突し、運動エネルギーのすべてが1個のX線の光子のエネルギーに変わると、最短波長のX線が発生すると考えられるよ。
Qさん:それなら、電子とX線の光子の( ア )の保存則からX線の最短波長を求めることができるね。また、出てきたX線の波長がそれより長いときは、主に陽極の金属を構成する原子(陽極原子)の熱運動のエネルギーが( イ )していると考えられるね。
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
大学入学共通テスト(理科)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問89(物理(第4問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)
図2のようにX線管のフィラメント(陰極)・陽極間に高電圧を加え、陰極で発生した電子を陽極の金属に衝突させるとX線が発生する。図3は、陽極にモリブデンを用いた場合の、各電圧ごとに発生したX線の強度と波長の関係(X線スペクトル)を示している。たとえば、両極間の電圧が35kVの場合には、図のC点を最短波長とする連続スペクトルが得られた。また、連続的なスペクトルの中に鋭い二つのピーク(a)、(b)も観測され、このピークの波長は電圧によらない。
図3の結果を見たPさんとQさんが会話を始めた。ここで、プランク定数をh,光速をcとする。ただし、PさんとQさんの会話の内容は間違っていない。
空欄( ア )・( イ )に入れる語の組合せとして最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
Pさん:図3を見ると、両極間の電圧が35kVの場合、X線のスペクトルはC点の波長3.5✕10-11Mから始まっているね。陰極から出た電子を電圧Vで加速すると、電気量-eの電子は陽極に達したときにeVの大きさの運動エネルギーを得る。この電子が陽極の金属と衝突し、運動エネルギーのすべてが1個のX線の光子のエネルギーに変わると、最短波長のX線が発生すると考えられるよ。
Qさん:それなら、電子とX線の光子の( ア )の保存則からX線の最短波長を求めることができるね。また、出てきたX線の波長がそれより長いときは、主に陽極の金属を構成する原子(陽極原子)の熱運動のエネルギーが( イ )していると考えられるね。
- ア:運動量 イ:増加
- ア:運動量 イ:減少
- ア:エネルギー イ:増加
- ア:エネルギー イ:減少
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
解答 ア:エネルギー イ:増加
アの解説
「電子とX線の光子の( ア )の保存則からX線の最短波長を求めることができる」
の穴埋め問題です。
直前の発言に、
「電子が陽極の金属と衝突し、運動エネルギーのすべてが
1個のX線の光子のエネルギーに変わると、最短波長のX線が発生する」
とあります。
(失われた電子の運動エネルギー)=(発生した1個のX線の光子のエネルギー)
ということですから、これはエネルギー保存則にほかなりません。
よって ア:エネルギー となります。
イの解説
「出てきたX線の波長がそれより長いときは、
主に陽極の金属を構成する原子(陽極原子)の
熱運動のエネルギーが( イ )していると考えられる」
の穴埋め問題です。
E=hc/λよりX線の波長が長いというのはエネルギーが低いことを意味します。
(失われた電子の運動エネルギー)
=(発生した1個の最短波長のX線の光子のエネルギー)
>(発生した1個の最短波長より長いX線の光子のエネルギー)
となり、
(失われた電子の運動エネルギー)から
(発生した1個の最短波長より長いX線の光子のエネルギー)
を引いた分の余ったエネルギーが、金属原子に渡されたと考えられます。
つまるところ、
(失われた電子の運動エネルギー)
=(発生した1個の最短波長より長いX線の光子のエネルギー)
+(電子の衝突によって増加した金属の熱運動のエネルギー)
となっています。
よって イ: 増加 となります。
この選択肢が正解となります。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
02
電子とX線の光子のエネルギーの保存則からX線の最短波長を求めることができ、
出てきたX線の波長がそれより長いときは、
主に陽極の金属を構成する原子(陽極原子)の熱運動のエネルギーが
増加していると考えられます。
電子が得たeVの大きさの運動エネルギーすべてが
1個のX線の光子のエネルギーに変わると仮定して、最短波長のX線が発生する。
と、発言しています。
そのため、電子とX線の光子のエネルギーの保存則からX線の最短波長を求めることができます。
(※運動量保存則は物体の質量と速度が分かっているときに使用します。)
また、波の波長・振動数・エネルギーの関係は以下のようになります。
出てきたX線の波長が求めた最短波長より長いときは、
X線の持っていたエネルギーの一部が陽極原子に移ったことを意味します。
したがって、陽極原子の熱運動のエネルギーが
増加していると考えられます。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
03
Pさんが「電気量-eの電子は陽極に達したときにeVの大きさの運動エネルギーを得る。この電子が陽極の金属と衝突し、運動エネルギーのすべてが1個のX線の光子のエネルギーに変わると、最短波長のX線が発生すると考えられるよ。」
と言っていることから
「電子の運動エネルギーの全てが、
1個のX線の光子のエネルギーに変わると、
最短波長のX線が発生する」
ということがわかります。
よってエネルギーが保存しているので
アはエネルギーが答えです。
また、出てきたX線の波長がそれより長いときは、
エネルギーが小さいということなので、
電子の運動エネルギーの内一部が陽極の金属を構成する原子に渡された
と考えることができます。
よって、イは増加が答えです。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
前の問題(問88)へ
令和4年度(2022年度)追・再試験 問題一覧
次の問題(問90)へ