大学入学共通テスト(理科) 過去問
令和5年度(2023年度)本試験
問133 (生物(第1問) 問1)
問題文
シアノバクテリアは、光合成に用いる光エネルギーを捕集する色素―タンパク質複合体(以下、集光装置)としてフィコシアノビリン―タンパク質複合体を用いている。この複合体を構成する主なタンパク質は、αサブユニットとβサブユニットとが結合した複合体(以下、α/β複合体)であり、それらの遺伝子は(a)オペロンを形成している。
細菌は、必須元素の硫黄を硫酸イオンとして取り込み、硫黄を含むアミノ酸であるメチオニンやシステインの合成に利用している。ある種のシアノバクテリアは、硫酸イオンを十分取り込める培養条件(以下、硫酸十分条件)から硫酸イオンが欠乏する培養条件(以下、硫酸欠乏条件)に切り替わると、メチオニンやシステインをアミノ酸配列中に必要最小限しか持たないα/β複合体を使うようになる。シアノバクテリアでは集光装置がタンパク質全体のおよそ半分を占めるため、このような応答によって、生育に必要な硫酸イオンの量を大幅に少なくすることができる。
シアノバクテリアの硫酸欠乏条件への適応におけるα/β複合体の発現調節の仕組みを調べるため、実験1を行った。
実験1 硫酸十分条件および硫酸欠乏条件で培養したシアノバクテリアで、α/β複合体のαサブユニットのアミノ酸配列を指定する遺伝子A・C・Eおよびβサブユニットのアミノ酸配列を指定する遺伝子B・D・Fの発現量を調べたところ、図1の結果が得られた。なお、遺伝子Aと遺伝子B、遺伝子Cと遺伝子D、および遺伝子Eと遺伝子Fは、それぞれオペロンを形成している。
下線部(a)に関連して、原核生物における遺伝子発現の調節に関する記述として最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
大学入学共通テスト(理科)試験 令和5年度(2023年度)本試験 問133(生物(第1問) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)
シアノバクテリアは、光合成に用いる光エネルギーを捕集する色素―タンパク質複合体(以下、集光装置)としてフィコシアノビリン―タンパク質複合体を用いている。この複合体を構成する主なタンパク質は、αサブユニットとβサブユニットとが結合した複合体(以下、α/β複合体)であり、それらの遺伝子は(a)オペロンを形成している。
細菌は、必須元素の硫黄を硫酸イオンとして取り込み、硫黄を含むアミノ酸であるメチオニンやシステインの合成に利用している。ある種のシアノバクテリアは、硫酸イオンを十分取り込める培養条件(以下、硫酸十分条件)から硫酸イオンが欠乏する培養条件(以下、硫酸欠乏条件)に切り替わると、メチオニンやシステインをアミノ酸配列中に必要最小限しか持たないα/β複合体を使うようになる。シアノバクテリアでは集光装置がタンパク質全体のおよそ半分を占めるため、このような応答によって、生育に必要な硫酸イオンの量を大幅に少なくすることができる。
シアノバクテリアの硫酸欠乏条件への適応におけるα/β複合体の発現調節の仕組みを調べるため、実験1を行った。
実験1 硫酸十分条件および硫酸欠乏条件で培養したシアノバクテリアで、α/β複合体のαサブユニットのアミノ酸配列を指定する遺伝子A・C・Eおよびβサブユニットのアミノ酸配列を指定する遺伝子B・D・Fの発現量を調べたところ、図1の結果が得られた。なお、遺伝子Aと遺伝子B、遺伝子Cと遺伝子D、および遺伝子Eと遺伝子Fは、それぞれオペロンを形成している。
下線部(a)に関連して、原核生物における遺伝子発現の調節に関する記述として最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
- オペロンを構成する個々の遺伝子の転写は、それぞれ異なる調節タンパク質によって制御される。
- オペロンを構成する個々の遺伝子は、それぞれ異なる種類のRNAポリメラーゼによって転写される。
- リプレッサーは、RNAポリメラーゼに結合して遺伝子の転写を抑制する。
- 転写には、核内にある基本転写因子が必要である。
- 調節タンパク質は、オペレーターに結合して遺伝子の転写を制御する。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説
前の問題(問132)へ
令和5年度(2023年度)本試験 問題一覧
次の問題(問134)へ